「Googleタグマネージャーって何?」「GA4との違いがわからない」「タグの設定方法が難しそう」
Googleタグマネージャー(GTM)は、Webサイトの計測タグを一元管理できる無料ツールです。HTMLを直接編集せずにタグを追加・変更できるため、マーケティング施策のスピードアップに欠かせません。
本記事では、GTMの基本から実践的な使い方まで詳しく解説します。
Googleタグマネージャーとは
GTMの基本概念
Googleタグマネージャー(GTM)は、Webサイトに設置する様々な計測タグを一元管理するためのツールです。
GTMで管理できるタグの例:
- Google Analytics(GA4)
- Google広告コンバージョンタグ
- Meta Pixel(Facebook/Instagram)
- LinkedIn Insight Tag
- その他のマーケティングツール
GTMを使うメリット
| メリット | 説明 |
|---|---|
| 開発工数の削減 | HTMLを編集せずにタグを追加可能 |
| 迅速な対応 | マーケターが自分でタグを管理 |
| 一元管理 | すべてのタグを1つの画面で管理 |
| バージョン管理 | 変更履歴を保存、ロールバック可能 |
| プレビュー機能 | 公開前にテスト可能 |
| 無料 | コストがかからない |
GA4との違い
よくある誤解: GTMとGA4は別のツールです。
| ツール | 役割 |
|---|---|
| GTM | タグを管理・配信するプラットフォーム |
| GA4 | アクセスデータを収集・分析するツール |
GTMを使ってGA4のタグを配信する、という関係です。
GTMの基本構成
3つの主要要素
1. タグ(Tags) 実際に動作するコード。GA4タグ、広告タグなど。
2. トリガー(Triggers) タグが発火する条件。ページビュー、クリック、フォーム送信など。
3. 変数(Variables) 動的な値を取得するための設定。ページURL、クリックテキストなど。
動作の仕組み
【流れ】
1. ユーザーがWebサイトにアクセス
2. GTMコンテナが読み込まれる
3. トリガーの条件を確認
4. 条件を満たしたらタグが発火
5. データが送信される(GA4、広告など)
GTMの導入手順
Step 1: アカウント作成
- Googleタグマネージャーにアクセス
- Googleアカウントでログイン
- 「アカウントを作成」をクリック
- アカウント名(会社名など)を入力
- コンテナ名(サイト名など)を入力
- プラットフォームで「ウェブ」を選択
- 利用規約に同意
Step 2: GTMコードの設置
作成後に表示されるコードをWebサイトに設置します。
設置場所:
<!-- Google Tag Manager -->
<!-- <head>タグ内のなるべく上部に設置 -->
<script>(function(w,d,s,l,i){w[l]=w[l]||[];w[l].push({'gtm.start':
new Date().getTime(),event:'gtm.js'});var f=d.getElementsByTagName(s)[0],
j=d.createElement(s),dl=l!='dataLayer'?'&l='+l:'';j.async=true;j.src=
'https://www.googletagmanager.com/gtm.js?id='+i+dl;f.parentNode.insertBefore(j,f);
})(window,document,'script','dataLayer','GTM-XXXXXX');</script>
<!-- End Google Tag Manager -->
<!-- <body>タグの直後に設置 -->
<noscript><iframe src="https://www.googletagmanager.com/ns.html?id=GTM-XXXXXX"
height="0" width="0" style="display:none;visibility:hidden"></iframe></noscript>
設置方法:
- 直接HTMLに記述
- WordPressならプラグインを使用
- テーマの設定画面から追加
Step 3: 設置確認
確認方法1: プレビューモード
- GTM管理画面で「プレビュー」をクリック
- サイトURLを入力
- 新しいタブでサイトが開き、デバッグパネルが表示される
確認方法2: Chrome拡張機能
- 「Tag Assistant Legacy」をインストール
- サイトにアクセスしてタグを確認
GA4との連携
GA4タグの設定
Step 1: GA4の測定IDを確認
- GA4管理画面にアクセス
- 「管理」→「データストリーム」
- ウェブストリームを選択
- 測定ID(G-XXXXXXXXXX)をコピー
Step 2: GTMでタグを作成
- GTMで「タグ」→「新規」
- タグの種類で「Googleアナリティクス: GA4設定」を選択
- 測定IDを入力
- トリガーで「All Pages」を選択
- 保存
Step 3: 公開
- 「送信」をクリック
- バージョン名を入力(例:GA4タグ追加)
- 「公開」をクリック
イベント計測の設定
よく設定するイベント:
- ボタンクリック
- 外部リンククリック
- ファイルダウンロード
- スクロール深度
- フォーム送信
- 動画再生
ボタンクリック計測の例:
トリガーの設定:
- 「トリガー」→「新規」
- トリガーのタイプ:「クリック - すべての要素」
- 発生条件:「Click Classes」が「cta-button」を含む
- 保存
タグの設定:
- 「タグ」→「新規」
- タグの種類:「Googleアナリティクス: GA4イベント」
- 設定タグ:先ほど作成したGA4設定タグ
- イベント名:「cta_click」
- トリガー:先ほど作成したクリックトリガー
- 保存・公開
コンバージョン設定
Google広告コンバージョン
必要な情報:
- コンバージョンID
- コンバージョンラベル
設定手順:
- 「タグ」→「新規」
- タグの種類:「Google広告のコンバージョントラッキング」
- コンバージョンIDとラベルを入力
- トリガー:サンクスページのページビュー
- 保存・公開
Meta Pixel(Facebook)
設定手順:
- 「タグ」→「新規」
- タグの種類:「カスタムHTML」
- Meta Pixelのコードを貼り付け
- トリガー:All Pages
- 保存・公開
標準イベントの計測: 購入、リード獲得などは別途タグを作成し、適切なトリガーを設定。
変数の活用
組み込み変数
GTMにあらかじめ用意されている変数です。
よく使う組み込み変数:
- Page URL:現在のページURL
- Page Path:URLのパス部分
- Click URL:クリックしたリンクのURL
- Click Text:クリックした要素のテキスト
- Click Classes:クリックした要素のclass
- Form ID:送信されたフォームのID
有効化方法:
- 「変数」→「組み込み変数」→「設定」
- 使用したい変数にチェック
ユーザー定義変数
独自の変数を作成できます。
データレイヤー変数: サイトから特定の値を取得。
// サイト側でデータレイヤーに値をプッシュ
dataLayer.push({
'event': 'purchase',
'transaction_id': '12345',
'value': 9800
});
GTMでの設定:
- 「変数」→「ユーザー定義変数」→「新規」
- 変数タイプ:「データレイヤーの変数」
- データレイヤーの変数名:「value」
デバッグとテスト
プレビューモードの使い方
起動方法:
- GTM管理画面で「プレビュー」をクリック
- サイトURLを入力
- 「Connect」をクリック
確認できること:
- 発火したタグ
- 発火しなかったタグとその理由
- トリガーの状態
- 変数の値
- データレイヤーの内容
よくあるエラーと対処
タグが発火しない:
- トリガーの条件を確認
- 変数の値をプレビューで確認
- トリガーのタイミング(DOMReadyなど)を確認
データが重複する:
- 同じタグが複数設定されていないか確認
- トリガーが重複していないか確認
変数が取得できない:
- 組み込み変数が有効になっているか確認
- 変数名のスペルミスを確認
運用のベストプラクティス
命名規則
タグの命名例:
[プラットフォーム] - [タイプ] - [詳細]
例:GA4 - Event - CTA Click
例:Google Ads - Conversion - Purchase
トリガーの命名例:
[タイプ] - [条件]
例:Click - CTA Button
例:PageView - Thank You Page
バージョン管理
ベストプラクティス:
- 変更ごとにわかりやすい名前を付ける
- 大きな変更は段階的に公開
- 問題発生時はすぐにロールバック
フォルダ整理
タグ、トリガー、変数が増えたらフォルダで整理。
フォルダ例:
- GA4
- Google Ads
- Meta
- その他
よくある質問
Q. GTMを使わずにGA4を設置してもいいですか?
A. 可能ですが、GTMを使うことを推奨します。将来的なタグ追加や変更が圧倒的に楽になります。
Q. GTMを導入するとサイトが重くなりますか?
A. GTM自体は軽量ですが、大量のタグを設置すると影響が出る可能性があります。不要なタグは削除しましょう。
Q. 開発者がいないと設定できませんか?
A. 基本的な設定はマーケター単独で可能です。ただし、GTMコードの初回設置やカスタムな計測には開発者の協力が必要な場合があります。
Q. 無料で使えますか?
A. はい、完全無料です。大規模サイト向けの有料版(GTM 360)もありますが、通常は無料版で十分です。
まとめ
Googleタグマネージャーは、Webマーケティングを効率化する必須ツールです。
導入のポイント:
-
基本を理解する
- タグ、トリガー、変数の役割
- GA4との違いと連携方法
-
正しく設置する
- GTMコードをhead/bodyに設置
- プレビューモードで確認
-
段階的に活用
- まずはGA4タグから
- 慣れたらイベント計測を追加
- 広告タグも統合管理
-
運用ルールを決める
- 命名規則の統一
- バージョン管理の徹底
- 定期的な棚卸し
GTMを使いこなせば、データドリブンなマーケティングが実現できます。
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- GA4の使い方完全ガイド - アクセス解析の基本
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- ヒートマップツール完全ガイド - ユーザー行動分析
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- KPI設計の基本 - 指標の設計方法
※本記事の情報は2025年1月時点のものです。GTMの機能や画面は変更される可能性がありますので、最新情報はGoogle公式サイトをご確認ください。