「Web解析って何から始めればいい?」「PVとかUUとか、指標の意味がよくわからない」「データを見ても、どう改善すればいいかわからない」
Web解析は、Webサイトのデータを分析し、改善につなげるための手法です。適切にデータを読み解くことで、サイトのパフォーマンスを向上させ、ビジネス成果を高めることができます。
本記事では、Web解析の基本から実践方法まで詳しく解説します。
Web解析とは
定義と目的
Web解析とは、Webサイトのアクセスデータを収集・分析し、サイト改善に活かす活動です。
目的:
- サイトの現状把握
- 課題の発見
- 改善施策の立案
- 効果測定
- PDCAサイクルの実行
なぜWeb解析が必要なのか
データなしの運営:
- 感覚頼みの判断
- 効果がわからない
- 改善の方向性が不明
データに基づく運営:
- 客観的な判断
- 効果の可視化
- 的確な改善
Web解析の流れ
1. 目標設定
↓
2. データ収集
↓
3. データ分析
↓
4. 課題発見
↓
5. 施策立案
↓
6. 実行
↓
7. 効果測定
↓
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基本指標の理解
ユーザー関連
ユーザー(UU: Unique User): サイトを訪問した人の数(重複なし)。
新規ユーザー: 初めてサイトを訪問した人。
リピーター: 2回目以降の訪問者。
セッション関連
セッション: サイトへの訪問回数。
- 30分以上操作がないと新セッション
- 日付が変わると新セッション
セッション/ユーザー: 1人あたりの平均訪問回数。
ページビュー関連
ページビュー(PV): ページが表示された回数。
ページ/セッション: 1回の訪問で見られたページ数。
エンゲージメント関連
平均セッション時間: 1回の訪問でサイトに滞在した時間。
直帰率(GA4ではエンゲージメント率): 1ページだけ見て離脱した割合。
エンゲージメント率(GA4): エンゲージメントのあったセッションの割合。 (10秒以上滞在、2ページ以上閲覧、コンバージョン発生のいずれか)
コンバージョン関連
コンバージョン(CV): サイトの目標達成(問い合わせ、購入等)。
コンバージョン率(CVR): 訪問者のうちCVした割合。
CVR = CV数 ÷ セッション数 × 100
指標の関係性
基本的な関係
ユーザー × セッション/ユーザー = セッション
セッション × ページ/セッション = ページビュー
セッション × CVR = コンバージョン
改善の考え方
売上を増やすには:
売上 = 訪問者数 × CVR × 客単価
改善の選択肢:
- 訪問者数を増やす(集客)
- CVRを上げる(サイト改善)
- 客単価を上げる(商品・価格)
分析の視点
トラフィック分析
確認ポイント:
- どこから来ているか(流入元)
- どのキーワードで来ているか
- どのページに着地しているか
主なチャネル:
| チャネル | 意味 |
|---|---|
| Organic Search | 自然検索 |
| Direct | 直接アクセス |
| Referral | 他サイトからのリンク |
| Social | SNS |
| Paid Search | 検索広告 |
| Display | ディスプレイ広告 |
| メール |
ユーザー行動分析
確認ポイント:
- どのページがよく見られているか
- どこで離脱しているか
- どのような経路を辿っているか
分析手法:
- ページ別の指標確認
- 離脱ページの分析
- ナビゲーションサマリー
- ユーザーフロー
コンバージョン分析
確認ポイント:
- CVに至る経路
- CVに貢献しているページ
- CVしやすいユーザーの特徴
分析手法:
- ファネル分析
- アトリビューション分析
- セグメント分析
Google アナリティクス 4の活用
基本レポート
リアルタイム:
- 現在のアクティブユーザー
- 今起きていること
ユーザー獲得:
- 新規ユーザーの流入元
- チャネル別のパフォーマンス
エンゲージメント:
- ページ別の閲覧状況
- イベントの発生状況
収益化:
- ECサイトの売上データ
- 購入行動
探索レポート
自由にレポートを作成できる機能。
主なテンプレート:
- 自由形式
- ファネルデータ探索
- 経路データ探索
- セグメントの重複
セグメント
特定の条件でユーザーを絞り込む。
例:
- 新規ユーザーのみ
- CVしたユーザーのみ
- 特定のページを見たユーザー
- モバイルユーザーのみ
サイト改善の進め方
Step 1: 現状把握
確認すべきデータ:
- 全体のアクセス状況
- 主要指標のトレンド
- チャネル別の状況
- 主要ページのパフォーマンス
Step 2: 課題の特定
課題発見のポイント:
- 目標との乖離
- 急激な変化
- 競合との比較
- ベンチマークとの比較
よくある課題:
| 課題 | 指標の状態 |
|---|---|
| 集客不足 | UU、セッションが少ない |
| 直帰が多い | 直帰率が高い、エンゲージメント率が低い |
| 回遊しない | ページ/セッションが少ない |
| CVしない | CVRが低い |
Step 3: 仮説立案
仮説の立て方:
- データから課題を特定
- 原因を推測
- 改善策を考える
- 期待効果を想定
例:
課題: 商品ページの直帰率が高い
仮説: CTAが見つけにくいのではないか
改善策: CTAボタンを目立つ位置に配置
期待効果: 直帰率10%改善、CVR向上
Step 4: 施策実行
改善施策の例:
- コンテンツの改善
- デザイン・UIの改善
- ページ速度の改善
- 導線の改善
- CTAの改善
Step 5: 効果測定
測定のポイント:
- 施策前後の比較
- 統計的有意性の確認
- 副次的な影響の確認
A/Bテスト: 2つのパターンを比較して、効果の高い方を採用。
定期的なモニタリング
日次チェック
- 異常値の検出
- リアルタイムの状況
- CV発生状況
週次レポート
- 主要KPIの推移
- 前週・前年同週との比較
- 施策の効果確認
月次レポート
- 月間の総括
- 目標達成状況
- 中長期トレンド
- 次月の計画
よくある失敗と対策
失敗1: データを見るだけで終わる
症状: レポートは見ているが、改善につながらない。
対策:
- 必ず「So What?(だから何?)」を考える
- 具体的なアクションにつなげる
- 仮説→検証のサイクルを回す
失敗2: 指標だけを追う
症状: PVやセッションを増やすことが目的化。
対策:
- ビジネス目標から逆算
- CVやROIを重視
- 虚栄の指標に惑わされない
失敗3: 部分最適に陥る
症状: 特定ページだけ改善して、全体に悪影響。
対策:
- 全体のファネルを意識
- 施策の副作用を確認
- 複数の指標をバランスよく見る
よくある質問
Q. どの指標を見ればいいですか?
A. ビジネス目標によりますが、まずは「セッション」「CVR」「CV数」の3つを押さえましょう。その上で、課題に応じて詳細な指標を見ていきます。
Q. どれくらいのPVがあれば十分ですか?
A. PV数よりも、CVに至っているかが重要です。目安として、月間1,000セッション程度あれば、基本的な分析は可能です。
Q. 直帰率はどれくらいが適正ですか?
A. 業界やページ種類によりますが、一般的には40〜60%程度が目安です。ブログ記事は高め、ECの商品ページは低めが望ましいです。
Q. 分析にはどれくらい時間をかけるべきですか?
A. 規模によりますが、週に1〜2時間程度の定期チェックが最低限。大きな施策の前後は、より詳細な分析が必要です。
まとめ
Web解析は、データに基づいてサイトを改善するための必須スキルです。
成功のポイント:
-
基本指標を理解する
- PV、UU、セッションの違い
- CVRの計算方法
- エンゲージメント率の意味
-
目的を持って分析する
- ビジネス目標から逆算
- 課題→仮説→検証
- アクションにつなげる
-
継続的にモニタリング
- 定期的なチェック
- 異常値の早期発見
- トレンドの把握
-
改善サイクルを回す
- PDCA
- A/Bテスト
- 効果測定
まずはGoogleアナリティクスで基本的なデータを確認することから始めてみてください。
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※本記事の情報は2025年1月時点のものです。解析ツールの機能は更新されますので、最新情報は公式サイトをご確認ください。