「最近、検索順位は上がっているのにアクセスが増えない」「GoogleのAI回答で検索が完結してしまう」「ゼロクリック検索への対策方法がわからない」
検索エンジンの進化により、ユーザーが検索結果ページ(SERP)で回答を得て、Webサイトをクリックしない「ゼロクリック検索」が増加しています。特に2024年以降、GoogleのAI Overview(SGE)の本格展開により、この傾向は加速しています。
本記事では、ゼロクリック検索の現状と影響、そしてSGE・AIO時代に流入を維持・増加させるための具体的なSEO対策を解説します。
ゼロクリック検索とは
ゼロクリック検索の定義
ゼロクリック検索とは、ユーザーが検索エンジンで検索を行った際に、検索結果ページ(SERP)上で回答を得て、どのWebサイトもクリックせずに検索を終了することを指します。
ゼロクリック検索が発生する主な要因
| 要因 | 例 |
|---|---|
| 強調スニペット | 「東京タワーの高さは?」→ 333m |
| ナレッジパネル | 「トヨタ自動車」→ 企業情報が表示 |
| ローカルパック | 「近くのカフェ」→ 地図と店舗一覧 |
| AI Overview(SGE) | 質問への直接回答 |
| People Also Ask | 関連する質問と回答 |
| 計算・変換 | 「100ドル 円」→ 為替計算結果 |
ゼロクリック検索の現状
複数の調査によると、検索全体の約50〜65%がゼロクリック検索と言われています。
デバイス別の傾向
- モバイル:約70%がゼロクリック
- デスクトップ:約50%がゼロクリック
モバイルでは、検索結果ページでの回答完結がより顕著です。
SGE / AI Overviewとは
SGE(Search Generative Experience)は、Googleが導入したAIによる検索回答機能です。2024年以降、「AI Overview」という名称で本格展開されています。
AI Overviewの特徴
- 検索クエリに対してAIが回答を生成
- 複数のソースから情報を統合
- 検索結果の最上部に表示
- 会話形式での追加質問が可能
日本での展開状況(2025年1月時点)
- 一部のクエリで表示開始
- 情報収集系クエリで表示されやすい
- 商用クエリでの表示は限定的
ゼロクリック検索がSEOに与える影響
影響1:オーガニック流入の減少リスク
検索結果ページで回答が完結すると、Webサイトへのクリックが発生しません。
特に影響を受けやすいクエリ
- 事実確認系(「〇〇とは」「〇〇の意味」)
- 単純な質問(「〇〇の営業時間」「〇〇の電話番号」)
- 計算・変換(「〇〇 円換算」「〇〇 カロリー」)
影響2:クリック率(CTR)の低下
検索順位が同じでも、AI Overviewや強調スニペットが表示されることで、オーガニック検索結果のCTRが低下します。
CTR低下の目安
- 強調スニペット表示時:1位のCTRが約10%低下
- AI Overview表示時:オーガニック全体のCTRが20〜30%低下(推定)
影響3:検索意図の変化
AIが「答え」を提供することで、ユーザーの検索行動が変化しています。
検索行動の変化
- 情報収集はAIで完結
- 「購入」「申込」などのアクション目的でサイトを訪問
- ブランド指名検索の重要性が増加
ゼロクリック検索への対策
対策1:強調スニペットを獲得する
ゼロクリック検索の原因となる強調スニペットですが、獲得することでブランド認知やクリック獲得にもつながります。
強調スニペット獲得のポイント
| 形式 | 対策 |
|---|---|
| 段落型 | 質問に対する簡潔な回答(40〜60文字) |
| リスト型 | 箇条書きや番号付きリスト |
| 表形式 | 比較表、料金表などの表 |
| 動画 | YouTube動画の埋め込み |
コンテンツ構成のポイント
- 「〇〇とは」で始まる見出しを使用
- 見出し直後に簡潔な回答を記載
- 構造化データを実装
対策2:AIに引用されるコンテンツを作る
AI Overviewは、信頼性の高いソースから情報を引用します。引用されることで、ブランド認知とクリック獲得につながります。
引用されやすいコンテンツの特徴
| 特徴 | 対策 |
|---|---|
| 権威性 | 専門家の監修、資格・実績の明示 |
| 正確性 | データの出典明記、ファクトチェック |
| 網羅性 | トピックを包括的にカバー |
| 構造化 | 明確な見出し構成、リスト活用 |
| 鮮度 | 定期的な更新、最新情報の追加 |
対策3:ロングテールキーワードを狙う
AIが回答しにくい、具体的なロングテールキーワードを狙います。
AIが回答しにくいクエリの例
- 「〇〇 おすすめ 2025年 初心者向け 予算5万円」
- 「〇〇 比較 △△ vs □□ 実体験」
- 「〇〇 失敗談 体験談」
ロングテールキーワードの見つけ方
- Google Search Consoleの検索クエリ分析
- 「People Also Ask」の関連質問
- Q&Aサイト(Yahoo!知恵袋など)の質問
- サジェストキーワードの収集
対策4:E-E-A-Tを強化する
GoogleはE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を重視しています。これはAI時代においてさらに重要になります。
E-E-A-T強化の具体策
| 要素 | 対策 |
|---|---|
| Experience(経験) | 実体験に基づくコンテンツ、事例紹介 |
| Expertise(専門性) | 専門家プロフィール、資格明示 |
| Authoritativeness(権威性) | 被リンク獲得、業界での評価 |
| Trustworthiness(信頼性) | 運営者情報、プライバシーポリシー |
対策5:ブランド検索を強化する
AIの回答を経由せず、直接サイトを訪問してもらうために、ブランド認知を高めます。
ブランド検索強化の施策
- SNSでの情報発信
- PR・メディア露出
- オフライン施策(イベント、広告)
- 独自の調査・レポート発表
- メルマガでの継続的な接点
対策6:検索以外の流入経路を強化する
検索依存度を下げ、複数の流入経路を確保します。
強化すべき流入経路
| 経路 | 施策 |
|---|---|
| SNS | Instagram、X、LinkedIn等での発信 |
| メール | メルマガ、ステップメール |
| 動画 | YouTube、TikTok |
| ダイレクト | ブランド認知向上、リピーター育成 |
| 紹介 | アフィリエイト、口コミ促進 |
コンテンツタイプ別の対策
情報収集系コンテンツ
影響:AI Overviewに回答を奪われやすい
対策
- 「〇〇とは」に加えて、応用情報を充実
- 具体的な事例・ケーススタディを追加
- 独自データ・調査結果を含める
- インタラクティブツール(診断、計算機など)を提供
比較・検討系コンテンツ
影響:表形式でAIに引用されやすい
対策
- 単純比較に留まらず、選び方のガイドを提供
- 実際に使用した体験談を追加
- ターゲット別のおすすめを提示
- 最新情報を定期的に更新
How-to系コンテンツ
影響:手順がAIに引用されやすい
対策
- 動画やスクリーンショットで差別化
- 「よくある失敗」「注意点」を追加
- 専門家のコメントを含める
- ダウンロード資料(チェックリスト等)を提供
商品・サービス紹介コンテンツ
影響:比較的影響を受けにくい
対策
- ユーザーレビュー・口コミを充実
- 詳細なスペック・仕様を提供
- 購入後のサポート情報を明記
- 限定オファー・キャンペーン情報を更新
構造化データの活用
構造化データを実装することで、検索結果でのリッチな表示を獲得し、クリック率を向上させます。
主な構造化データの種類
| 種類 | 用途 | 効果 |
|---|---|---|
| Article | 記事ページ | 見出し、画像の表示 |
| FAQ | よくある質問 | Q&Aの直接表示 |
| HowTo | 手順解説 | ステップの表示 |
| Product | 商品ページ | 価格、評価の表示 |
| LocalBusiness | 店舗情報 | 営業時間、住所の表示 |
| Review | レビュー | 星評価の表示 |
FAQ構造化データの実装例
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [{
"@type": "Question",
"name": "ゼロクリック検索とは何ですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "ゼロクリック検索とは、ユーザーが検索結果ページで回答を得て、どのWebサイトもクリックせずに検索を終了することを指します。"
}
}]
}
計測と改善
計測すべき指標
ゼロクリック検索の影響を把握するために、以下の指標を定期的に確認します。
Google Search Console
- 表示回数(Impressions)
- クリック数
- CTR(クリック率)
- 平均掲載順位
GA4
- オーガニック検索からの流入数
- ランディングページ別のセッション数
- エンゲージメント率
改善のポイント
CTRが低下している場合
- タイトル・メタディスクリプションの改善
- 構造化データの実装
- コンテンツの更新・拡充
表示回数は多いがクリックが少ない場合
- 強調スニペット獲得を狙う
- ロングテールキーワードを追加
- 検索意図とのミスマッチを確認
よくある質問
Q. ゼロクリック検索はSEOの終わりを意味しますか?
A. いいえ、SEOは終わりではありません。検索行動は変化していますが、Webサイトへの流入経路として検索は依然として重要です。重要なのは、AIに引用されるコンテンツを作り、ブランド検索を強化し、検索以外の流入経路も確保することです。
Q. 強調スニペットを獲得すると、逆にクリックが減りませんか?
A. 一部のクエリではその可能性があります。しかし、強調スニペットを獲得することで、ブランド認知が向上し、「より詳しく知りたい」ユーザーからのクリックを獲得できます。また、獲得しなければ競合に奪われるため、積極的に狙うことを推奨します。
Q. AI Overviewは今後すべての検索に表示されますか?
A. 現時点では、すべての検索に表示されるわけではありません。特に商用クエリ(購入、申込など)では表示が限定的です。Googleはユーザー体験を重視しており、今後も調整が続くと考えられます。
Q. 小規模サイトでもゼロクリック検索対策は必要ですか?
A. はい、必要です。むしろ小規模サイトほど、限られたリソースを効果的に使うために、ロングテールキーワードを狙い、ニッチな領域で専門性を発揮することが重要です。大手サイトと同じキーワードで競争するのではなく、AIが回答しにくい具体的なニーズに応えるコンテンツを作りましょう。
まとめ
ゼロクリック検索の増加は、SEOに大きな変化をもたらしています。しかし、これは「SEOの終わり」ではなく、「SEOの進化」と捉えるべきです。
ゼロクリック検索時代のSEO戦略
-
引用されるコンテンツを作る
- E-E-A-Tを強化
- 構造化データを実装
- 正確で信頼性の高い情報を提供
-
AIが回答しにくい領域を狙う
- ロングテールキーワード
- 実体験・事例
- 最新情報・速報
-
ブランド検索を強化する
- 認知度向上施策
- SNS・メルマガでの接点
- 独自の価値提供
-
検索以外の流入を確保する
- SNS
- メールマーケティング
- 動画マーケティング
-
継続的な計測と改善
- CTRの変化を監視
- コンテンツの定期更新
- 新しいトレンドへの対応
検索エンジンとAIは今後も進化し続けます。変化を恐れるのではなく、変化に適応し、ユーザーにとって本当に価値のあるコンテンツを提供し続けることが、長期的なSEO成功の鍵です。
用語解説
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ゼロクリック検索 | 検索結果ページで回答を得て、サイトをクリックしない検索 |
| SERP | Search Engine Results Pageの略。検索結果ページ |
| SGE | Search Generative Experienceの略。GoogleのAI検索機能 |
| AI Overview | SGEの正式名称。AI生成の検索回答 |
| 強調スニペット | 検索結果の最上部に表示される回答ボックス |
| ナレッジパネル | 検索結果の右側に表示される情報パネル |
| ローカルパック | 地図と店舗情報の表示 |
| E-E-A-T | 経験、専門性、権威性、信頼性の略 |
| 構造化データ | 検索エンジンが理解しやすい形式のデータ |
| ロングテールキーワード | 検索ボリュームは少ないが具体的なキーワード |
| CTR | Click Through Rateの略。クリック率 |
※本記事の情報は2025年1月時点のものです。GoogleのAI Overview(SGE)は頻繁にアップデートされるため、最新情報はGoogle公式ブログをご確認ください。
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