ものづくり補助金とは
ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業・小規模事業者が生産性向上のために行う設備投資を支援する国の補助金です。
制度の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管轄 | 経済産業省(中小企業庁) |
| 補助率 | 1/2〜2/3 |
| 補助上限 | 750万円〜1億円(申請類型による) |
| 対象 | 中小企業・小規模事業者 |
対象者
中小企業の定義
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業、建設業、運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
※資本金または従業員数のいずれかを満たせばOK
2025年度の申請類型
製品・サービス高付加価値化枠
新製品・新サービスの開発や生産プロセスの改善を支援します。
通常類型
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 1/2(小規模事業者は2/3) |
| 補助上限 | 750万円〜1,250万円(従業員規模による) |
| 要件 | 革新性、付加価値向上 |
従業員規模別の補助上限
| 従業員数 | 補助上限 |
|---|---|
| 5人以下 | 750万円 |
| 6〜20人 | 1,000万円 |
| 21人以上 | 1,250万円 |
成長分野進出類型(DX・GX)
DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)に取り組む事業を優遇します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 2/3(一律) |
| 補助上限 | 1,000万円〜2,500万円 |
| 要件 | DXまたはGXの要件を満たすこと |
グローバル枠
海外事業の拡大を支援します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 1/2(小規模事業者は2/3) |
| 補助上限 | 3,000万円 |
| 要件 | 海外への直接投資、輸出拡大等 |
大幅賃上げ特例
大幅な賃上げを行う場合、補助上限が上乗せされます。
| 条件 | 上乗せ額 |
|---|---|
| 給与支給総額+6%以上、事業場内最低賃金+50円以上 | 最大1,000万円上乗せ |
対象となる経費
補助対象経費一覧
| 経費区分 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 機械装置・システム構築費 | 生産設備、IT機器 | NC旋盤、3Dプリンタ、基幹システム |
| 技術導入費 | 知的財産権の導入 | 特許権、実用新案権 |
| 専門家経費 | 専門家への謝金 | コンサルタント費用 |
| 運搬費 | 設備の運搬 | 運送費、据付費 |
| クラウドサービス利用費 | クラウド利用料 | SaaS利用料 |
| 原材料費 | 試作に必要な原材料 | 試作用原材料 |
| 外注費 | 加工・設計の外注 | 設計委託 |
| 知的財産権等関連経費 | 特許出願等 | 出願費用 |
経費に関する注意点
単価50万円以上の設備投資が必須
必須要件:
補助対象経費の1/2以上が「機械装置・システム構築費」であること
かつ、単価50万円以上(税抜)の設備投資を含むこと
対象外となる経費
- 不動産の取得費
- 汎用性の高い備品(パソコン、車両等)
- 消耗品費
- 通常の生産活動に係る経費
- 補助事業期間外の経費
申請の流れ
全体スケジュール
【申請から補助金受領まで】
1. 事前準備(2〜3ヶ月前)
├ gBizIDプライムの取得
├ 事業計画の検討
└ 見積もりの取得
2. 事業計画書作成(1〜2ヶ月)
├ 事業計画書の作成(10ページ)
└ 必要書類の準備
3. 電子申請(締切日まで)
└ jGrantsで申請
4. 審査(1〜2ヶ月)
└ 書類審査・ヒアリング
5. 採択結果発表
6. 交付申請
7. 交付決定
8. 補助事業実施(10〜12ヶ月程度)
9. 実績報告
10. 確定検査・補助金受領
公募スケジュール(例)
ものづくり補助金は通年で複数回の公募があります。
| 公募回 | 公募開始 | 締切 | 採択発表 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 1月頃 | 3月頃 | 5月頃 |
| 第2回 | 3月頃 | 5月頃 | 7月頃 |
| 第3回 | 6月頃 | 8月頃 | 10月頃 |
| 第4回 | 9月頃 | 11月頃 | 1月頃 |
※スケジュールは年度により変動するため、公式サイトで最新情報を確認してください。
事業計画書の書き方
事業計画書はA4サイズ10ページ以内で作成します。
必須記載項目
1. 具体的取組内容
| 記載項目 | ポイント |
|---|---|
| 現状の課題 | 自社が抱える具体的な課題 |
| 課題解決の方法 | 補助事業で行う取組 |
| 具体的な手段 | 導入する設備、開発内容 |
| イノベーション | 革新性・新規性 |
記載例:製造業の場合
【現状の課題】
当社は金属加工業を営んでおり、NC旋盤3台で生産を行っている。
しかし、設備の老朽化(平均稼働年数20年)により、以下の課題を
抱えている。
・加工精度のばらつき(不良率5%)
・加工時間が長い(1個あたり30分)
・熟練工への依存(後継者不足)
・新しい材質への対応困難
【課題解決の方法】
最新の5軸マシニングセンタを導入することで、以下を実現する。
・加工精度の向上(不良率5%→1%以下)
・加工時間の短縮(30分→10分)
・自動化による省人化(3名→1名での運用)
・複雑形状・新素材への対応
【導入設備】
○○社製 5軸マシニングセンタ Model-XXX
・価格:2,500万円(税抜)
・加工範囲:X600×Y500×Z400
・同時5軸制御
・自動ツールチェンジャー(30本)
【革新性】
従来は3軸加工のため、複数回のセットアップが必要であった。
5軸同時加工により、ワンチャッキングで複雑形状を加工可能となり、
業界内でも先進的な生産体制を構築できる。
2. 将来の展望
| 記載項目 | ポイント |
|---|---|
| 市場規模・成長性 | 参入市場の魅力 |
| ターゲット顧客 | 誰に売るか |
| 競合との差別化 | なぜ選ばれるか |
| 事業化スケジュール | いつまでに何を実現するか |
| 売上・利益計画 | 数値での将来見通し |
3. 会社の体制
| 記載項目 | ポイント |
|---|---|
| 実施体制 | 誰が何を担当するか |
| 財務状況 | 自己資金、借入状況 |
| 経営者の経歴 | 実現可能性の裏付け |
審査項目への対応
審査で評価されるポイント
| 審査項目 | 評価ポイント |
|---|---|
| 技術面 | 取組の革新性、実現可能性 |
| 事業化面 | 市場性、収益性、差別化 |
| 政策面 | 賃上げ、DX・GX、地域経済貢献 |
| 実施体制 | 体制の適切性、財務基盤 |
採択率を上げるポイント
1. 「革新性」を明確にする
審査で最も重視されるのが「革新性」です。
革新性の示し方
| 観点 | 例 |
|---|---|
| 製品・サービスの革新性 | 「業界初の○○機能を搭載」 |
| 生産方法の革新性 | 「従来工法では不可能だった加工を実現」 |
| 提供方法の革新性 | 「24時間無人稼働により即日納品を実現」 |
NG例
- 「最新設備を導入する」(単なる設備更新)
- 「生産性が向上する」(具体性がない)
2. 数値で効果を示す
定量的な目標を設定します。
| 指標 | 現状 | 目標 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| 生産能力 | 100個/日 | 300個/日 | 200%向上 |
| 不良率 | 5% | 1% | 80%削減 |
| 加工時間 | 30分/個 | 10分/個 | 67%削減 |
| 売上高 | 1億円 | 1.5億円 | 50%増 |
| 付加価値額 | 3,000万円 | 4,500万円 | 50%増 |
3. 基本要件を満たす
必須要件
以下の3つをすべて満たす必要があります。
1. 付加価値額:年率3%以上向上
(付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費)
2. 給与支給総額:年率1.5%以上向上
3. 事業場内最低賃金:地域別最低賃金+30円以上
4. 加点項目を狙う
| 加点項目 | 内容 |
|---|---|
| 賃上げ加点 | 給与支給総額+3%以上、最低賃金+60円以上 |
| 成長性加点 | 売上高成長率が高い |
| 政策加点 | パートナーシップ構築宣言、健康経営等 |
| 災害等加点 | 被災事業者 |
| 事業承継加点 | 事業承継計画を策定 |
5. 認定支援機関の活用
認定支援機関(金融機関、税理士、コンサルタント等)の確認書が必要です。
認定支援機関のサポート内容
- 事業計画の妥当性確認
- 財務計画のチェック
- 申請書のブラッシュアップ
よくある質問
Q1:製造業以外でも申請できますか?
はい、サービス業、小売業、建設業など、中小企業であれば業種を問わず申請可能です。「ものづくり」という名称ですが、サービスの高付加価値化も対象です。
Q2:過去に採択されていても申請できますか?
可能ですが、以下の制限があります。
- 過去3年間に2回以上採択を受けている場合は減点
- 同一内容での再申請は不可
Q3:交付決定前に設備を発注できますか?
できません。交付決定後に発注・契約してください。交付決定前の発注は補助対象外となります。
Q4:リースは対象になりますか?
原則として購入が対象です。リースの場合は、補助事業期間内のリース料のみが対象となります。
Q5:パソコンは補助対象になりますか?
汎用性の高い機器(パソコン、タブレット、車両等)は対象外です。ただし、専用システムと一体的に導入する場合は対象となることがあります。
採択後の流れ
補助事業の実施
【採択後の流れ】
1. 交付申請
└ 採択内容に基づき交付申請
2. 交付決定
└ 正式に補助金が確定
3. 補助事業開始
└ 交付決定後に発注・契約
4. 中間検査(必要に応じて)
5. 補助事業完了
└ 設備の導入・検収完了
6. 実績報告
└ 証拠書類とともに報告
7. 確定検査
└ 事務局による確認
8. 補助金請求
9. 補助金入金
事業化状況報告
補助事業終了後、5年間は事業化状況を報告する義務があります。
| 報告内容 | 頻度 |
|---|---|
| 売上高、付加価値額、従業員数等 | 年1回 |
| 賃金・最低賃金の状況 | 年1回 |
| 設備の稼働状況 | 年1回 |
まとめ:採択を勝ち取るポイント
- 革新性を明確に:単なる設備更新ではなく、何が革新的かを示す
- 数値で効果を示す:定量的な目標と根拠
- 基本要件を確実に満たす:付加価値額、給与、最低賃金
- 加点項目を狙う:賃上げ、政策加点等
- 認定支援機関を活用:計画のブラッシュアップ
- 余裕を持ったスケジュール:締切2週間前には完成
ものづくり補助金は、設備投資を検討している中小企業にとって非常に有効な制度です。最大1億円の補助を活用し、生産性向上と競争力強化を実現しましょう。
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