EC売上の構成要素を理解する
ECサイトの売上は、シンプルな公式で表すことができます。この公式を理解することで、改善すべきポイントが明確になります。
売上の公式
売上 = 訪問者数 × 購入率(CVR) × 客単価
さらに分解すると:
売上 = 新規訪問者 + リピート訪問者
× 購入率(CVR)
× 客単価(購入点数 × 商品単価)
改善の4つの柱
| 柱 | 施策の方向性 | 効果 |
|---|---|---|
| 集客 | 訪問者数を増やす | 分母を増やす |
| CVR改善 | 購入率を上げる | 効率を上げる |
| 客単価アップ | 1回の購入金額を上げる | 収益性を上げる |
| リピート促進 | 再購入を促す | LTVを上げる |
集客を増やす施策
1. SEO対策
検索エンジンからの自然流入を増やします。
ECサイトのSEO基本施策
| 施策 | 内容 | 優先度 |
|---|---|---|
| 商品ページの最適化 | タイトル、説明文にキーワード | 高 |
| カテゴリページの強化 | 各カテゴリに説明文を追加 | 高 |
| ブログ運営 | 商品関連の情報発信 | 中 |
| 構造化データ | 商品情報をマークアップ | 中 |
| サイト速度改善 | 表示速度の高速化 | 高 |
| モバイル対応 | スマホでの使いやすさ | 高 |
商品ページのSEOチェックリスト
□ タイトルにメインキーワードを含む
□ 商品説明文は500文字以上
□ 画像のalt属性を設定
□ ユーザーレビューを掲載
□ 関連商品へのリンク
□ パンくずリストを設置
□ URL構造が適切
2. SNS活用
SNSからの集客と認知拡大を図ります。
プラットフォーム別の活用法
| SNS | 向いている商材 | 活用法 |
|---|---|---|
| ファッション、雑貨、食品 | 商品写真、使用シーン、UGC | |
| X(Twitter) | 話題性のある商品、セール告知 | リアルタイム情報、キャンペーン |
| YouTube | 使い方の説明が必要な商品 | 商品レビュー、How To |
| TikTok | 若年層向け、トレンド商品 | 短尺動画、チャレンジ企画 |
| LINE | 全般 | クーポン配布、リマインド |
| インテリア、ファッション、レシピ | ビジュアル訴求、アイデア提案 |
Instagram活用のポイント
投稿の種類と頻度(例)
フィード投稿:週3〜5回
・商品写真(ライフスタイル型)
・使用シーン
・お客様の声(UGC)
・スタッフ紹介
ストーリーズ:毎日
・新商品入荷
・舞台裏
・アンケート
・限定クーポン
リール:週1〜2回
・商品紹介動画
・使い方解説
・ビフォーアフター
3. Web広告
有料広告で即効性のある集客を行います。
広告の種類と特徴
| 広告種類 | 特徴 | 費用目安 |
|---|---|---|
| リスティング広告 | 検索ニーズに応える | CPC 50〜300円 |
| ディスプレイ広告 | 認知拡大 | CPM 100〜500円 |
| ショッピング広告 | 商品画像付きで表示 | CPC 30〜100円 |
| SNS広告 | ターゲティング精度高 | CPC 30〜200円 |
| リターゲティング広告 | 離脱ユーザーに再訴求 | CPC 50〜150円 |
広告予算の考え方
月間広告予算 = 目標売上 × 広告経由比率 × ROAS目安
例:
・目標売上:500万円
・広告経由比率:30%(150万円分)
・目標ROAS:400%
・必要広告費:150万円 ÷ 4 = 37.5万円/月
4. メールマーケティング
メルマガで既存顧客からの流入を増やします。
メルマガの種類と効果
| 種類 | 内容 | 開封率目安 |
|---|---|---|
| 定期メルマガ | 新商品、キャンペーン | 15〜25% |
| セグメントメール | 属性別に最適化 | 25〜35% |
| カゴ落ちメール | カート放棄者へ | 30〜45% |
| 再購入リマインド | 消耗品の補充時期 | 20〜30% |
| バースデーメール | 誕生日特典 | 35〜50% |
CVR(購入率)を改善する施策
CVR(コンバージョン率)は、ECサイトの効率を示す重要指標です。
ECサイトのCVR目安
| 業種 | CVR目安 |
|---|---|
| アパレル | 1.5〜3% |
| 雑貨・インテリア | 2〜4% |
| 食品 | 3〜6% |
| 美容・コスメ | 2〜4% |
| 家電 | 1〜2% |
| BtoB | 3〜5% |
1. 商品ページの改善
商品ページは最も重要なCVRに影響するページです。
商品ページの必須要素
┌────────────────────────────────────┐
│ パンくずリスト │
├────────────────────────────────────┤
│ │
│ ┌─────────┐ 商品名(H1) │
│ │ 商品 │ 価格(税込表示) │
│ │ 画像 │ ★★★★☆ (120件) │
│ │(複数) │ │
│ └─────────┘ [カートに入れる] │
│ │
│ 送料・配送情報 │
│ 在庫状況 │
│ │
├────────────────────────────────────┤
│ 商品説明(詳細) │
│ サイズ・スペック表 │
│ 使い方・活用シーン │
├────────────────────────────────────┤
│ レビュー・口コミ │
├────────────────────────────────────┤
│ 関連商品・おすすめ商品 │
└────────────────────────────────────┘
商品画像の最適化
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 枚数 | 最低5枚以上(理想は10枚以上) |
| 種類 | 正面、側面、ディテール、使用シーン、サイズ感 |
| 品質 | 高解像度、明るい、背景はシンプル |
| 動画 | 可能なら商品動画も追加 |
| ズーム | 細部が確認できる拡大機能 |
商品説明文の書き方
構成例:
【リード文】(50〜100字)
・商品の特徴を一言で
・ターゲットへの呼びかけ
【ベネフィット】(100〜200字)
・使うことで得られる結果
・解決できる課題
【特徴・機能】(200〜300字)
・スペック、素材、サイズ
・こだわりポイント
【使い方・シーン】(100〜200字)
・具体的な使用シーン
・活用アイデア
【注意事項】
・サイズ選びのポイント
・お手入れ方法
2. カート・決済の改善
カート離脱率を下げることで、CVRを大幅に改善できます。
カート離脱の主な原因
| 原因 | 割合 | 対策 |
|---|---|---|
| 送料が高い・わからない | 48% | 送料を事前に表示、送料無料ライン設定 |
| アカウント作成が必要 | 24% | ゲスト購入を可能に |
| 決済方法が少ない | 18% | 決済手段を追加 |
| 入力が面倒 | 17% | フォーム最適化、自動入力 |
| エラーが発生 | 15% | エラー表示の改善、サポート導線 |
| セキュリティ不安 | 12% | セキュリティバッジ表示 |
カゴ落ち対策
カゴ落ちメール施策(例)
1通目:カート放棄後1時間
・件名:「お買い忘れはありませんか?」
・内容:カート内商品の画像付きリマインド
2通目:カート放棄後24時間
・件名:「まもなく在庫がなくなります」
・内容:在庫状況の通知、レビュー紹介
3通目:カート放棄後72時間
・件名:「特別クーポンをプレゼント」
・内容:期間限定の割引クーポン
3. サイト表示速度の改善
表示速度はCVRに直結します。
速度とCVRの関係
| 表示速度 | CVRへの影響 |
|---|---|
| 1秒遅延 | CVR 7%低下 |
| 2秒遅延 | CVR 13%低下 |
| 3秒遅延 | CVR 19%低下 |
速度改善のチェックリスト
□ 画像を圧縮・最適化(WebP形式)
□ 不要なプラグイン・スクリプトを削除
□ CDNを利用
□ ブラウザキャッシュを設定
□ サーバースペックの見直し
□ 遅延読み込み(Lazy Load)を実装
□ AMP対応(モバイル向け)
4. 信頼性の向上
安心して購入できる環境を整えます。
信頼性向上の要素
| 要素 | 設置場所 |
|---|---|
| セキュリティバッジ(SSL) | フッター、決済ページ |
| 決済方法アイコン | フッター、商品ページ |
| 特定商取引法に基づく表記 | フッター |
| プライバシーポリシー | フッター |
| 運営会社情報 | フッター、会社概要 |
| レビュー・評価 | 商品ページ |
| 導入事例・実績 | トップページ |
| メディア掲載 | トップページ |
| 問い合わせ先 | ヘッダー、フッター |
客単価を上げる施策
1回の購入金額を上げることで、同じ訪問者数でも売上を伸ばせます。
1. クロスセル(関連商品の提案)
購入商品と一緒に使える商品を提案します。
クロスセルの設置場所
| 場所 | 表現例 |
|---|---|
| 商品ページ | 「この商品を買った人はこんな商品も買っています」 |
| カートページ | 「一緒に購入されている商品」 |
| 購入完了ページ | 「こちらもおすすめ」 |
| サンクスメール | 「次回のお買い物におすすめ」 |
2. アップセル(上位商品の提案)
より高価格・高機能な商品への誘導を行います。
アップセルの手法
| 手法 | 例 |
|---|---|
| 上位モデルの提案 | 「プレミアム版はこちら」 |
| まとめ買い割引 | 「3個セットで10%OFF」 |
| 容量アップ | 「大容量サイズがお得」 |
| 期間限定アップグレード | 「今なら上位版へ無料アップグレード」 |
3. 送料無料ラインの設定
送料無料ラインを設定し、追加購入を促します。
送料無料ライン設定の考え方
最適な送料無料ライン = 平均客単価 × 1.3〜1.5
例:
・現在の平均客単価:5,000円
・送料無料ライン:6,500〜7,500円
効果測定:
・送料無料ライン到達率
・客単価の変化
・購入点数の変化
4. ポイント・クーポン施策
購入金額に応じた特典でモチベーションを上げます。
ポイント施策の設計
| 要素 | 設計例 |
|---|---|
| 付与率 | 購入金額の1〜5% |
| 有効期限 | 6ヶ月〜1年 |
| 利用条件 | 次回購入時に利用可 |
| ランク制 | 購入金額に応じてランクアップ |
| ボーナスポイント | 誕生日、キャンペーン期間 |
5. 定期購入(サブスクリプション)
消耗品やリピート商材で定期購入を提案します。
定期購入のメリット
| 顧客側 | 事業者側 |
|---|---|
| 買い忘れ防止 | 安定した売上 |
| 都度購入より割引 | LTVの向上 |
| 自動配送で便利 | 在庫予測しやすい |
リピート購入を促す施策
新規顧客の獲得コストは、既存顧客維持の5〜7倍と言われています。
1. 購入後フォロー
購入後の体験を向上させ、ファンになってもらいます。
購入後フォローメールの設計
1. 注文確認メール(即時)
・注文内容の確認
・配送予定日
2. 発送完了メール(発送時)
・追跡番号
・到着予定日
3. 到着確認メール(到着後3日)
・商品は届きましたか?
・使い方のご案内
・困ったときの連絡先
4. レビュー依頼メール(到着後7日)
・使用感はいかがですか?
・レビュー投稿のお願い
・レビュー特典(ポイント等)
5. リピート促進メール(到着後30日)
・リピート購入のおすすめ
・関連商品の紹介
・限定クーポン
2. 会員プログラム
ロイヤルカスタマーを育成する仕組みを作ります。
会員ランク制度の設計例
| ランク | 条件(年間購入額) | 特典 |
|---|---|---|
| レギュラー | 〜29,999円 | ポイント1% |
| シルバー | 30,000〜59,999円 | ポイント3%、送料割引 |
| ゴールド | 60,000〜99,999円 | ポイント5%、送料無料 |
| プラチナ | 100,000円〜 | ポイント7%、限定商品アクセス |
3. LINE活用
LINEで顧客との接点を増やします。
LINE活用施策
| 施策 | 内容 |
|---|---|
| 友だち追加特典 | 初回クーポン配布 |
| セグメント配信 | 購入履歴に応じた配信 |
| 自動応答 | FAQ対応 |
| 1:1チャット | 個別相談 |
| リッチメニュー | 便利なショートカット |
| ショップカード | デジタルポイントカード |
4. 再購入のリマインド
消耗品の場合、使い切るタイミングでリマインドします。
リマインドメールの設計
商品:化粧水(使用期間目安:2ヶ月)
購入後45日:
「そろそろなくなる頃ではありませんか?」
購入後55日:
「早めのご注文で在庫切れを防ぎましょう」
購入後65日:
「リピート購入で10%OFFクーポン」
データ分析と改善サイクル
見るべき指標(KPI)
| 指標 | 計算式 | 目安 |
|---|---|---|
| CVR | 購入数÷訪問数 | 1〜3% |
| カート投入率 | カート投入数÷訪問数 | 5〜15% |
| カート離脱率 | (1−購入数÷カート投入数)×100 | 60〜80% |
| 客単価 | 売上÷購入数 | 商材による |
| リピート率 | リピーター購入数÷全購入数 | 30〜50% |
| LTV | 客単価×購入回数 | 客単価の3〜5倍 |
分析に使うツール
| ツール | 用途 | 費用 |
|---|---|---|
| Google Analytics 4 | 全体分析 | 無料 |
| Googleサーチコンソール | SEO分析 | 無料 |
| ヒートマップ(Clarity等) | ユーザー行動分析 | 無料〜 |
| 各ECプラットフォームの分析 | 売上・購買分析 | プラン内 |
PDCAサイクルの回し方
1. Plan(計画)
・現状の数値を把握
・改善仮説を立てる
・KPI目標を設定
2. Do(実行)
・施策を実施
・A/Bテストを行う
3. Check(検証)
・効果を測定
・目標との差を分析
4. Act(改善)
・効果があれば横展開
・なければ別の施策へ
まとめ:売上アップの優先順位
売上アップに取り組む際は、効果の大きいものから着手しましょう。
優先度の高い施策
| 優先度 | 施策 | 期待効果 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 1 | カート離脱対策 | CVR改善 | 低 |
| 2 | 商品ページ改善 | CVR改善 | 中 |
| 3 | カゴ落ちメール | 売上回復 | 低 |
| 4 | 送料無料ライン設定 | 客単価アップ | 低 |
| 5 | レビュー促進 | CVR改善 | 低 |
| 6 | サイト速度改善 | CVR改善 | 中 |
| 7 | SNS活用 | 集客増 | 中 |
| 8 | リピート施策 | LTV向上 | 中 |
まず始める3ステップ
- 現状の数値を把握する(CVR、客単価、リピート率)
- 最も改善余地のある指標を特定する
- 1つの施策を実行し、効果を測定する
継続的な改善を重ねることで、ECサイトの売上は着実に向上します。
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