越境ECとは
越境EC(Cross-border E-commerce)とは、インターネットを通じて海外の消費者に商品を販売するビジネスです。日本にいながら世界中に販売でき、国内市場の縮小や円安を追い風に注目が高まっています。
越境ECの市場規模
世界のBtoC越境EC市場は拡大を続けています。
| 年 | 市場規模 | 成長率 |
|---|---|---|
| 2020年 | 約9,000億ドル | - |
| 2023年 | 約1.5兆ドル | 年率15%成長 |
| 2027年(予測) | 約2.5兆ドル | - |
日本からの越境ECの現状
日本製品は海外で高い評価を受けています。
人気のある日本商品
| カテゴリ | 人気商品 | 主な販売先 |
|---|---|---|
| アニメ・キャラクター | フィギュア、グッズ、漫画 | 北米、欧州、アジア |
| 美容・コスメ | スキンケア、メイクアップ | 中国、台湾、東南アジア |
| 食品 | お菓子、調味料、飲料 | 台湾、香港、北米 |
| ファッション | アパレル、靴、アクセサリー | 欧米、アジア |
| 伝統工芸品 | 陶器、漆器、和雑貨 | 欧米 |
| ホビー | カメラ、時計、玩具 | 世界各地 |
越境ECのメリットとデメリット
メリット
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 市場の拡大 | 国内より大きな市場にアクセス |
| 円安の恩恵 | 外貨収入で利益率向上 |
| 競争優位性 | 日本製品のブランド力を活用 |
| 在庫の活用 | 国内で売れにくい商品も売れる可能性 |
| ブランド強化 | グローバルブランドへの成長 |
デメリット・課題
| 課題 | 対策 |
|---|---|
| 言語の壁 | 翻訳サービス、多言語サイト構築 |
| 物流の複雑さ | 越境EC対応の物流業者を利用 |
| 決済の多様性 | 現地の決済手段に対応 |
| 関税・規制 | 各国の規制を事前に確認 |
| カスタマーサポート | 現地言語対応、時差への対応 |
| 返品・クレーム | ポリシーの明確化、保険加入 |
販売先国・地域の選び方
主要市場の特徴
中国
世界最大のEC市場。日本製品への信頼が高い。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| EC市場規模 | 約2兆ドル |
| 人気商品 | コスメ、ベビー用品、健康食品 |
| 主要プラットフォーム | 天猫国際(Tmall Global)、JD Worldwide |
| 決済 | Alipay、WeChat Pay |
| 物流 | 保税区モデルが主流 |
| 注意点 | 規制が厳しい、中国語対応必須 |
アメリカ
世界第2位のEC市場。英語対応で参入しやすい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| EC市場規模 | 約1兆ドル |
| 人気商品 | アニメグッズ、電子機器、和雑貨 |
| 主要プラットフォーム | Amazon、eBay、自社サイト |
| 決済 | クレジットカード、PayPal |
| 物流 | 直送または現地倉庫 |
| 注意点 | 競争が激しい、返品対応が重要 |
台湾
日本製品の人気が非常に高い。参入ハードルが低い。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| EC市場規模 | 約400億ドル |
| 人気商品 | 食品、コスメ、アパレル |
| 主要プラットフォーム | Shopee、PChome、蝦皮購物 |
| 決済 | クレジットカード、コンビニ払い |
| 物流 | 国際郵便で対応可 |
| 注意点 | 繁体字対応が必要 |
東南アジア(シンガポール、タイ、マレーシア等)
急成長市場。若年層のEC利用率が高い。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| EC市場規模 | 約1,500億ドル(ASEAN全体) |
| 人気商品 | 日本食品、コスメ、キャラクターグッズ |
| 主要プラットフォーム | Shopee、Lazada |
| 決済 | 代金引換(COD)が多い |
| 物流 | Shopee・Lazadaの物流網を活用 |
| 注意点 | 現地語対応、価格競争力 |
市場選定のポイント
市場選定チェックリスト
□ 自社商品と親和性の高い市場か
□ 日本製品の需要はあるか
□ 競合状況はどうか
□ 物流・配送は対応可能か
□ 決済手段は確保できるか
□ 規制・関税は問題ないか
□ 言語対応は可能か
□ 初期投資はどの程度必要か
越境ECの販売チャネル
1. 海外モール出店
既存の海外ECモールに出店する方法です。
主要な海外モール
| モール | 主要市場 | 特徴 | 出店ハードル |
|---|---|---|---|
| Amazon.com | アメリカ | 世界最大、FBA活用可 | 中 |
| eBay | 世界各国 | オークション型も可 | 低 |
| 天猫国際 | 中国 | 中国最大、審査厳格 | 高 |
| Shopee | 東南アジア・台湾 | 手数料低い | 低 |
| Lazada | 東南アジア | アリババ傘下 | 中 |
| Etsy | 欧米 | ハンドメイド・ビンテージ | 低 |
モール出店のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 集客力がある | 手数料がかかる |
| 信頼性が担保される | 価格競争になりやすい |
| 決済・物流が整備 | 顧客情報が取得しにくい |
| 始めやすい | ブランディングしにくい |
2. 自社越境ECサイト
自社でECサイトを構築し、海外に販売します。
越境対応ECプラットフォーム
| プラットフォーム | 特徴 | 月額費用 |
|---|---|---|
| Shopify | 越境対応機能が充実 | 3,650円〜 |
| BigCommerce | 多通貨対応 | $29.95〜 |
| Cafe24 | アジア向けに強い | 無料〜 |
| Magento | 大規模向け、カスタマイズ性高 | 要開発 |
自社サイトのメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ブランディングできる | 集客を自力で行う必要 |
| 顧客情報を取得できる | サイト構築の手間 |
| 手数料を抑えられる | 決済・物流の手配が必要 |
| 自由度が高い | 信頼性を自ら構築 |
3. 越境EC代行サービス
専門の代行業者を通じて販売する方法です。
代行サービスの種類
| サービス | 内容 |
|---|---|
| 出店代行 | モールへの出店・運営を代行 |
| 販売代行 | 商品を預けて販売を委託 |
| 物流代行 | 海外発送を代行 |
| フルサービス | 上記すべてを一括で代行 |
物流・配送の選び方
海外への配送は越境ECの最大の課題の一つです。
配送方法の種類
| 方法 | 配送日数 | 費用 | 追跡 | 向いている商品 |
|---|---|---|---|---|
| 国際郵便(EMS) | 3〜7日 | 中 | ◯ | 中価格帯 |
| 国際eパケット | 7〜14日 | 低 | ◯ | 小型・軽量 |
| 国際宅配便(DHL等) | 2〜4日 | 高 | ◯ | 高価格帯・急ぎ |
| 船便 | 1〜3ヶ月 | 最低 | △ | 大量・低単価 |
| 現地倉庫から発送 | 1〜3日 | 中 | ◯ | リピート商品 |
配送コストの目安(アメリカ向け、500g)
| 方法 | 費用目安 |
|---|---|
| EMS | 2,000〜3,000円 |
| eパケット | 1,000〜1,500円 |
| DHL/FedEx | 3,000〜5,000円 |
| 海外発送代行サービス | 1,500〜2,500円 |
物流パートナーの選び方
越境EC対応の物流サービス
| サービス | 特徴 |
|---|---|
| オープンロジ | EC特化の物流代行 |
| イーロジット | 越境EC対応、多拠点 |
| tenso | 転送・代理購入サービス |
| Buyee | 海外ユーザー向け購入代行 |
| 日本郵便(EMS) | 公的機関の信頼性 |
関税・税金への対応
商品が輸入される際、相手国で関税・税金がかかります。
関税の処理方法
| 方式 | 説明 | 顧客体験 |
|---|---|---|
| DDU(関税着払い) | 関税は受取人負担 | 追加費用が発生する場合も |
| DDP(関税込み) | 関税込みで販売 | 追加費用なしで安心 |
各国の関税免税ライン(目安)
| 国・地域 | 免税ライン |
|---|---|
| アメリカ | $800以下 |
| EU | €150以下 |
| 中国 | ¥5,000以下(個人輸入) |
| 台湾 | NT$2,000以下 |
| シンガポール | SGD$400以下 |
決済手段の整備
海外顧客が安心して購入できる決済手段を用意します。
主要な決済手段
| 決済手段 | 対応地域 | 特徴 |
|---|---|---|
| クレジットカード | 世界共通 | 最も普及、必須 |
| PayPal | 世界共通 | 海外で信頼度高い |
| Alipay | 中国 | 中国向けは必須 |
| WeChat Pay | 中国 | モバイル決済 |
| Apple Pay | 欧米 | モバイル決済 |
| 代金引換(COD) | 東南アジア | 現地で人気 |
決済代行サービス
| サービス | 特徴 | 対応通貨 |
|---|---|---|
| Shopify Payments | Shopifyに統合 | 多通貨対応 |
| PayPal | 導入が簡単 | 200以上の国 |
| Stripe | 開発者向け | 135通貨 |
| WorldFirst | 外貨受取に強い | 多通貨対応 |
| Payoneer | Amazon販売者向け | 多通貨対応 |
多通貨対応のポイント
通貨対応のチェックリスト
□ 現地通貨での価格表示
□ 為替レートの更新頻度
□ 決済時のレート明示
□ 返金時の通貨・レート
□ 会計処理の方法
多言語対応の進め方
必要な翻訳範囲
| 項目 | 優先度 | 翻訳量目安 |
|---|---|---|
| 商品名・説明文 | 高 | 商品ごと |
| カテゴリ名 | 高 | 数十項目 |
| カート・決済画面 | 高 | 20〜30画面 |
| 利用規約・ポリシー | 高 | 数ページ |
| FAQ・ヘルプ | 中 | 20〜50項目 |
| ブログ・コンテンツ | 低 | 選択的に |
翻訳の方法
| 方法 | 費用 | 品質 | スピード |
|---|---|---|---|
| 機械翻訳(DeepL等) | 低〜無料 | 中 | 速い |
| クラウド翻訳 | 中 | 中〜高 | 中 |
| プロ翻訳 | 高 | 高 | 遅い |
| ネイティブチェック | 中 | 高 | 中 |
おすすめのアプローチ
1. まず機械翻訳で下訳を作成
2. 重要なページはネイティブチェック
3. 商品説明は簡潔に(翻訳しやすく)
4. 画像で伝わる情報は画像で
5. 翻訳メモリを蓄積して効率化
多言語サイト構築
Shopifyでの多言語対応
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| Shopify Markets | 公式機能、言語・通貨切替 |
| 翻訳アプリ(Langify等) | 詳細な翻訳管理 |
| サブドメイン | 国別にサイト分離 |
カスタマーサポート体制
多言語サポートの構築
| 方法 | 費用 | 対応品質 |
|---|---|---|
| 自社対応(翻訳ツール活用) | 低 | 中 |
| 多言語サポート代行 | 中〜高 | 高 |
| チャットボット(多言語) | 中 | 中 |
| FAQ充実で問い合わせ削減 | 低 | - |
時差への対応
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| FAQの充実 | 自己解決を促進 |
| 自動返信 | 受付確認、対応予定を通知 |
| チャットボット | 24時間の一次対応 |
| 対応時間の明示 | 期待値を調整 |
返品・返金ポリシー
海外販売では返品ポリシーが重要です。
ポリシー作成のポイント
明確にすべき事項
・返品可能期間(購入後〇日以内)
・返品条件(未使用、タグ付き等)
・返送費用の負担(どちらが負担か)
・返金方法(元の決済手段に返金)
・返金までの日数
・交換対応の有無
・不良品の対応
越境EC成功のポイント
1. ニッチを攻める
競争の激しい商品より、日本でしか手に入らないニッチ商品を狙います。
ニッチ商品の例
- 地方の特産品
- 職人の手作り品
- 限定コラボ商品
- 日本でしか買えないブランド
2. ストーリーを伝える
日本製品の背景にあるストーリーは海外で強い訴求力を持ちます。
伝えるべきストーリー
- 職人のこだわり
- 素材へのこだわり
- 地域の文化・歴史
- 開発の背景
3. 小さく始めて検証する
いきなり大規模投資せず、テスト販売から始めます。
テスト販売のステップ
1. eBay・Etsyなど参入障壁の低いモールで開始
2. 売れる商品・売れる国を検証
3. 成功パターンを見つけたら拡大
4. 自社サイト構築を検討
4. 現地のパートナーを活用する
すべてを自社で行わず、専門パートナーを活用します。
活用すべきパートナー
| パートナー | 役割 |
|---|---|
| 物流代行 | 海外発送、通関対応 |
| 決済代行 | 現地決済手段の導入 |
| 翻訳パートナー | 高品質な翻訳 |
| 現地コンサルタント | 市場調査、販売戦略 |
| インフルエンサー | 現地でのプロモーション |
よくある失敗と対策
| 失敗パターン | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 売れない | 市場調査不足 | 小規模テストで検証 |
| 物流トラブル | 配送業者選定ミス | 実績ある業者を選定 |
| 赤字 | 送料・手数料の見落とし | 総コストを計算して価格設定 |
| クレーム多発 | 説明不足、期待値ミスマッチ | 詳細な商品説明、ポリシー明示 |
| 規制違反 | 輸出規制の確認不足 | 事前に規制を確認 |
まとめ:越境EC成功のステップ
- 市場を選ぶ: 自社商品と相性の良い国・地域を選定
- チャネルを決める: モール or 自社サイト、またはその併用
- 物流を整える: コストと品質のバランスで配送方法を選択
- 決済を用意する: 現地で使われている決済手段を導入
- 言語対応する: 重要なページから段階的に翻訳
- 小さく始める: テスト販売で検証してから拡大
- 継続的に改善: データを見ながらPDCAを回す
越境ECは難しそうに見えますが、今はプラットフォームやサービスが充実しており、中小企業でも参入しやすくなっています。まずは小さな一歩から始めてみましょう。
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