採用

面接官のための質問ガイド|優秀な人材を見極める質問術と評価ポイント

面接官のための質問ガイド|優秀な人材を見極める質問術と評価ポイント

「面接で何を聞けばいいかわからない」「採用後にミスマッチが発覚する」「良い人材を見極められない」

面接は限られた時間で候補者を見極める難しい作業。適切な質問と評価基準がなければ、採用の成功率は上がりません。<a href="https://www.shrm.org/" target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow">SHRM(米国人材マネジメント協会)</a>の調査によると、構造化面接を導入した企業は、採用後のパフォーマンス予測精度が2倍以上向上するとされています。

本記事では、優秀な人材を見極めるための質問術と評価のポイントを、実践的な事例を交えて解説します。


面接の基本設計

構造化面接とは

構造化面接とは、すべての候補者に同じ質問をし、同じ基準で評価する手法です。

メリット:

  • 公平な評価ができる
  • 面接官による差が減る
  • 評価の再現性が高い
  • 法的リスクの軽減(差別的質問の防止)

導入事例:Web制作会社I社(従業員35名)

「以前は面接官ごとに質問がバラバラで、『なんとなく良さそう』で採用していました。構造化面接を導入し、質問と評価基準を統一したところ、入社1年以内の離職率が25%→8%に改善しました」(人事部 高橋様)

評価項目の設定

面接で評価する項目を事前に明確にしておきましょう。

一般的な評価軸(5項目):

  1. スキル・経験 - 求める業務を遂行できる能力があるか
  2. コミュニケーション能力 - 的確に伝え、聞く力があるか
  3. 論理的思考力 - 筋道を立てて考えられるか
  4. 主体性・行動力 - 自ら動ける人か
  5. カルチャーフィット - 会社の価値観と合うか

場面別・効果的な質問

1. アイスブレイク(5分)

緊張をほぐし、候補者の本来の姿を引き出します。

おすすめ質問:

・今日はどうやってお越しになりましたか?
・弊社のオフィス、最初の印象はいかがですか?
・最近、何か新しく始めたことはありますか?
・今日の面接、何か気になることはありますか?

ポイント: 仕事に関係ない軽い話題で緊張を和らげる。ただし、長くなりすぎないよう5分程度に。

2. 経験・スキルを確認する質問

STAR法で具体的なエピソードを引き出します。

  • Situation(状況)- どんな場面だったか
  • Task(課題)- 何が求められていたか
  • Action(行動)- 何をしたか
  • Result(結果)- どうなったか

基本質問:

・これまでの経験で最も成果を出したプロジェクトは何ですか?
・その中であなたの役割は何でしたか?
・どのような課題がありましたか?
・それをどう解決しましたか?
・結果として何を達成しましたか?

深掘り質問:

・なぜその方法を選んだのですか?他の選択肢は検討しましたか?
・もう一度やるとしたら、何を変えますか?
・そこから学んだことは何ですか?
・その経験が今後にどう活かせると思いますか?

評価ポイント:

  • 具体的なエピソードが出てくるか
  • 自分の役割と成果を明確に説明できるか
  • 振り返りや学びがあるか

3. 問題解決力を見る質問

・仕事で直面した最も困難な問題は何でしたか?
・その問題をどのように分析しましたか?
・解決策を考える際、どんな情報を集めましたか?
・周囲の人をどう巻き込みましたか?
・最終的にどう解決しましたか?

応用:ケース面接

実際の業務に近い課題を出して、思考プロセスを見る方法もあります。

例(営業職):

「弊社の既存顧客からの売上が10%減少しています。
どのような原因が考えられますか?
また、どう対応しますか?」

4. コミュニケーション力を見る質問

・意見が対立したとき、どのように対処しますか?
・チームで成果を出すために意識していることは?
・上司や同僚からどんなフィードバックを受けることが多いですか?
・自分と異なるタイプの人とどう関わりますか?
・難しい相手(クライアント、同僚)とうまくいった経験を教えてください。

5. 主体性・成長意欲を見る質問

・自ら提案して実現した取り組みはありますか?
・最近、自己研鑽のために取り組んでいることは?
・キャリアの中で最も成長を感じた経験は?
・失敗から学んだことを教えてください。
・この1年で身につけたいスキルは何ですか?

6. 志望動機・価値観を確認する質問

・なぜ転職を考えているのですか?
・弊社を志望した理由は何ですか?
・仕事で大切にしていることは何ですか?
・5年後、どんな仕事をしていたいですか?
・どんなときに仕事のやりがいを感じますか?

注意点: 「御社の理念に共感して」など、表面的な回答には深掘りを。

7. カルチャーフィットを見る質問

・どんな環境で最もパフォーマンスを発揮できますか?
・理想の上司・チームはどんなイメージですか?
・仕事とプライベートのバランスについてどう考えますか?
・チームの中でどんな役割を担うことが多いですか?
・これまでで最も働きやすかった職場は?その理由は?

職種別の追加質問

営業職

・目標を達成できなかったとき、どう対処しましたか?
・新規開拓で工夫していることは?
・顧客との信頼関係をどう構築しますか?
・断られたときのメンタル管理は?
・最も難しかった商談とその結果を教えてください。
・数字を追うことに対してどう感じますか?

エンジニア

・技術選定の際、何を重視しますか?
・コードレビューで意識していることは?
・技術的負債とどう向き合いますか?
・最近興味のある技術トレンドは?
・チーム開発で大切にしていることは?
・納期と品質のトレードオフをどう判断しますか?

マーケティング

・過去に実施した施策で最も効果があったものは?
・データをどのように意思決定に活用しますか?
・予算が限られた中でどう成果を出しますか?
・失敗した施策と、そこから学んだことは?
・最新のマーケティングトレンドで注目しているものは?

NG質問と法的リスク

聞いてはいけない質問

<a href="https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm" target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow">厚生労働省の公正な採用選考ガイドライン</a>に基づき、以下の質問は避けてください。

法律違反・差別につながる質問:

❌ 結婚の予定はありますか?
❌ お子さんは?妊娠の予定は?
❌ 出身地・本籍はどちらですか?
❌ ご両親の職業は?
❌ 宗教は何ですか?
❌ 支持政党は?
❌ 尊敬する人物は誰ですか?(思想の推測につながる)

避けるべき質問:

❌ 残業は大丈夫ですか?(圧迫的、条件の押し付け)
❌ うちは厳しいですよ?(威圧的)
❌ 他社の選考状況は?(答えを強制しない)
❌ なぜこんな学歴で?(差別的ニュアンス)

質問の言い換え例

NG質問OK質問
残業は大丈夫ですか?繁忙期は残業が発生しますが、働き方について確認したいことはありますか?
お子さんの予定は?業務時間や勤務形態について確認しておきたいことはありますか?
転職回数が多いですが...これまでのご経験を一貫して説明いただけますか?

評価のポイント

評価シートの活用

面接中・直後に記録し、後から判断にブレが出ないようにします。

評価項目12345具体的な理由
経験・スキル
コミュニケーション
論理的思考
主体性
カルチャーフィット

5段階評価の目安:

  • 5: 期待を大きく上回る(全候補者の上位10%レベル)
  • 4: 期待を上回る
  • 3: 期待通り(合格ライン)
  • 2: やや期待を下回る
  • 1: 期待を大きく下回る

重要: 「具体的な理由」欄を必ず記入する。「なんとなく良い」は禁止。

面接官の心構え

  • 候補者も会社を選んでいる - 選考は相互評価の場
  • 話しすぎない - 面接官が7割話すのはNG、候補者が7割話す
  • 先入観を排除 - 第一印象に引きずられない
  • メモを取る - 記憶に頼らない
  • 比較しない - 候補者同士を比較せず、基準に照らす

オンライン面接のコツ

環境整備

  • 安定したネット回線(有線推奨)
  • 静かな場所
  • 適切な照明(顔に影ができないよう)
  • 背景の確認(バーチャル背景も可)
  • カメラ位置の調整(目線の高さに)

進行のポイント

  • アイスブレイクを対面より長めに
  • 相槌を大きめに(反応が見えにくいため)
  • 画面共有で資料を見せる工夫も
  • 沈黙を恐れない(考える時間を与える)
  • 「聞こえますか?」を最初に確認

オンライン特有の評価ポイント

  • カメラをオンにしているか
  • 通信環境を整えているか(準備の姿勢)
  • 画面越しでも適切にコミュニケーションできるか

まとめ

面接は採用成功の鍵を握る重要なプロセスです。

押さえるべきポイント:

  1. 構造化面接 - 同じ質問・同じ基準で公平に評価
  2. STAR法 - 具体的なエピソードを深掘り
  3. 評価シート - 客観的に記録、理由を明文化
  4. NG質問を避ける - 法的リスクを理解
  5. 候補者体験 - 会社の魅力も伝える場

採用は相互選択。候補者にとっても良い面接体験を提供しましょう。


参考リンク

  • <a href="https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm" target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow">厚生労働省 - 公正な採用選考について</a>
  • <a href="https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyoukintou/pamphlet/index.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow">厚生労働省 - 均等法関連パンフレット</a>

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※本記事の情報は2026年1月時点のものです。


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